脱毛パターンで異なる円形脱毛症の治療方法

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円形脱毛症の治療と期間

 

円形脱毛症にはどのような治療法が適用されるのでしょうか。
治療の期間、費用、自然治癒などについて詳しく解説致します。

 

 

円形脱毛症は自然治癒するものなのか?

円形脱毛症は、免疫細胞であるTリンパ球が、本来正常である毛根を異物と誤認して攻撃してしまうために、毛根部が炎症を起こし、脱毛してしまうという免疫機能の異常が原因で引き起こされると考えられています。
円形脱毛症を発症してしまう詳しい原因はこちら

 

円形脱毛症の引き金になるものとして、ストレス、遺伝的要素、他の免疫疾患との併発、アトピー素因(アレルギーにかかりやすいか否か)などがありますが、不明確な部分も多い脱毛症です。

 

従って、円形脱毛症を発症しても、数週間から数か月程度で自然治癒するということは確かにあります。しかし、自然治癒を待っている間にも、脱毛箇所が拡大することも多く、病状を放置することは望ましくありません。

 

円形脱毛症は、発症からの期間と、脱毛部分の面積が治癒に大きく影響します。脱毛部分の面積が大きい程重症と判断され、治りにくくなりますので円形脱毛症を発症したら、いち早く医師の診断を受けて治療を行うようにしましょう。

 

手遅れになることもあるので自然治癒に期待するのは得策とは言えません。

 

脱毛パターンと治療期間

 

円形脱毛症は、脱毛パターンによって症状の重症度を判断し、それによって治療法を選択することになります。医師の問診の下に行う治療で、医師が状況に応じて適切に判断を行うことが前提となりますので、患者が自由に取捨選択するというものではありません。

 

脱毛パターン

T 脱毛部分が1~2個の状態・・・単発型脱毛症(通常型円形脱毛症)
U 脱毛部分が3個以上の状態・・・多発型脱毛症(通常型円形脱毛症)
V 脱毛部分が頭部全体に広がっている状態・・・全頭型脱毛症
W 脱毛部分が頭部及び全身の毛に及んでいる状態・・・汎発型性脱毛症
X 髪の生え際が帯状に脱毛している状態・・・蛇行状脱毛症

 

T及びUの通常円形脱毛症は、発症からの期間が短い程治癒率は上がり、単発型か多発性かということより、脱毛面積が狭い程治癒率は上昇します。V、Wは、面積が広い為に治癒までの期間が長くなりますが、Xの蛇行状脱毛症は、脱毛面積が狭くても治癒率が低いことがわかっています。

 

円形脱毛症の治療にかかる期間は、個人差が大きく、また円形脱毛症発症要因として考えられるアトピー素因や遺伝の有無等も影響します。さらに発症からの期間が短いことが治癒率上昇に影響することもわかっており、

 

比較的に脱毛面積の狭い通常型円形脱毛症は、
発症から1年以内の場合、80%が治癒したというデータが存在します。

 

しかし残りの20%は治癒が難しく、他の自己免疫疾患を併発している場合は、回復率がさらに下がります。1年以内の短期間に治癒する人がいる反面、数年間に渡って治療が必要な場合も多く、円形脱毛症患者の15年間の追跡調査では、単発型が80%回復した一方で、多発型は60%、全頭型や汎発型、蛇行型では30%程度に留まっています。治療は数か月から数年に渡ることもあり、症状により個人差が大きいことをおさえておきましょう。

 

円形脱毛症の治療方法にはどんなものがある?

 

円形脱毛症の診療ガイドラインでは、ステロイド局所注射と局所免疫療法の2種類が推奨されています。それぞれについて詳細にみていきましょう。

 

円形脱毛症は、自己免疫機能応答により毛根部の炎症が脱毛をもたらしていることから、ステロイドの効果によって免疫機能や炎症を抑える治療が効果を発揮します。

 

ステロイド局所注射は、単発型あるいは多発型の比較的症状の安定した脱毛面積が狭い通常型円形脱毛症に適用されます。脱毛面積は25%未満で、副作用の影響を考慮して16歳未満の子供には行うことができません。またステロイド局所注射以外のステロイド療法には下記のようなものがあります。

 

ステロイド外用薬(軟膏)・・・脱毛面積や年齢に関係なく使用可
ステロイド内服薬(飲み薬)・・・25%以上の脱毛及び発症6か月以内の16歳以上の患者
点滴静注ステロイドパルス療法・・・25%以上の脱毛及び発症6か月以内の16歳以上の患者

 

ステロイドは、体への負担が大きく、内服でも消化器不全や、肥満といった副作用が現れることがあり、点滴静注ステロイドパルス療法は3日間に渡って大量のステロイドを点滴投与するために入院が必要で、動悸、吐き気、倦怠感といった副作用が現れることがあります。

 

脱毛面積が25%以上の広範囲に渡っている場合は、年齢に関係なく局所免疫療法が推奨されています。スクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)や、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP)を使用することで、人工的に患部にかぶれを生じさせ、発毛を促進するというものです。

 

日本国外で主に成果をあげている治療法ですが、日本では保険適用外の治療となるため、費用がかさむ可能性があります。またかゆみ、じんましん、などの副作用が現れることがあり、治療期間も半年から数年に及ぶことも珍しくありません。自由診療ですので医療機関で設定されている治療費をあらかじめ把握しておく必要があります。

 

その他、皮膚深層に特殊な赤外線を照射し、炎症部を鎮痛する直線偏光近赤外線照射療法(スーパーライザー療法)、紫外線を照射する紫外線療法、ドライアイスを脱毛部に当てることで自己免疫機能の回復を図る冷却療法の他、アトピー素因のある人には抗アレルギー薬(第2世代抗ヒスタミン剤)の服用や、グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合剤の服用によって炎症を抑えるという治療法を併用することも推奨されています(単独での療法は推奨されていません)。

 

円形脱毛症を治療する際に掛かる料金

 

局所免疫療法は自由診療になりますので、
ここでは主に保険適用可能なステロイドを使用した治療費について説明いたします。

 

(保険適用時)

ステロイド外用薬(軟膏)・・・1本数百円
ステロイド内服薬(飲み薬)・・・月数百円
ステロイド局所注射・・・1回数千円
点滴静注ステロイドパルス・・・点滴3日間1万円

 

保険適用されるためそれほど高額にはなりませんが、上記の料金の他に、診察料が別途必要です。また点滴静注ステロイドパルスの場合は、入院が必要になりますので入院費が別途かかります。

 

円形脱毛症は、発症の要因(引き金)になるものがいくつも存在しており、わかっていないことが多い脱毛症です。その為、効果が低いあやふやな治療法が用いられることも珍しくありません。保険適用されるのか否か、上記の円形脱毛症の診療ガイドラインに即した治療法であるのか否か、理解した上で治療に入ることが大切です。

 

繰り返しになりますが、発症からの期間が短い程、治療には高い効果が見込めます。発症したら早めに医師の診療を受けるようにしましょう。