身長が低い人ははげやすいって本当か?

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身長が低い人は若くしてハゲてしまう可能性大!?

驚きの事実!?身長が低い人は若くしてハゲるって本当?

 

近年低身長とハゲに相関関係がみられるという話があります。

 

「低身長の男性は、早期脱毛症になりやすい」という学説は、
2017年にドイツのボン大学のシュテファニー・ハイルマン・ハインバッハ教授によって発表されました。

 

ボン大学は、3万人以上の学生が学び、
2018年版世界大学ランキングでトップ100にランキングされる一流大学で、
過去には「資本論」で有名なマルクスや、哲学者ニーチェも当大学で学んでいます。

 

根拠となった学説を基に真偽の程を詳細に解説致します。

 

 

世界的にも有名な英科学誌でも発表されている

 

ハインバッハ教授の研究の結果は、
英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ
に発表され世界中に知られることになりました。

 

この研究結果が発表される前には、男性型脱毛症(AGA)の男性は、そうではない男性に対して心臓病や、前立腺ガンを発症するリスクが高いことが統計的に証明されており、今回の論文はそれに関連する研究ということでした。

 

ハインバッハ教授は、男性型脱毛症(AGA)の一種である若年性脱毛の研究に長年取り組んでいるその道のプロですので、科学的な根拠に基づく研究結果だと言えます。

 

またこの論文が発表された英科学誌ネイチャーは、国際的な権威を持つ論文発表の場にもなっており、適切な査読を受けた論文のみが掲載されているため、論文の真実性は相当程度担保されています。

 


発表された論文の内容について

ハインバッハ教授は、当論文を作成するに当たって、若年性脱毛症の男性10846人と、そうではない男性11672人の遺伝子を研究しています。大学教授ならではのスケールメリットを活かした多数のサンプルを要した研究になっています。

 

2グループの遺伝子を比較した所、若年性脱毛症に関係するであろう、そのリスクを上昇させる可能性のある遺伝子の変異を63個特定しています。

 

さらにハインバッハ教授が研究データを精査した結果、この若年性脱毛症のリスクを上昇させる63個の遺伝子のうちのいくつかが、低身長にも関係している遺伝子であることがわかりました。

 

言い換えれば、身長を制御する可能性のある遺伝子を有する低身長の人は、若年性脱毛症のリスクを上昇させる遺伝子も保有しているということになります。現代では、遺伝子のレベルで、様々な疾病の研究が進んでいますが、若年性脱毛症と低身長に僅かながら関係があることが研究データから示されたわけです。

 

低身長と若年性脱毛症の関係

 

若年性脱毛症のリスクを上昇させる遺伝子変異は、概して低身長にも共通し、影響を与える遺伝子であるという研究データを示しながらも、ハインバッハ教授は、身長との関連を明確に証明するものではないとも話しています。

 

つまり、研究データから、脱毛症と身長抑制遺伝子変異の関連性はある程度見出せるものの、身長の高低全般に当てはまるわけではないということです。遺伝子は互いに作用しあう性質があるため、身長抑制遺伝子が即、脱毛症に繋がるというような完全相関のような状態は示せていないのです。

 

さらにハインバッハ教授は、身長の高低に関する若年性脱毛症のリスクの定量化も進んでいないとしています。つまり様々な身長の人の中で、脱毛症が進んでいる人とそうでない人の遺伝子の分析、データの蓄積が圧倒的に足りていないということです。

 

今後、若年性脱毛症と身長を両側面から遺伝子単位で研究し、データを積み上げることで、身長と脱毛症の関係がより明確になっていく可能性はあります。

 

今回の論文で明らかになったのは、若年性脱毛症に関する遺伝子の一部が、低身長に関連しているというレベルのもので、脱毛症なので必ずしも低身長、または低身長だと必ず脱毛症になるという明確な関連性は示されていません。

 

しかし、低身長と若年性脱毛症のリスクを上昇させる遺伝子変異は、今後の治療介入の可能性を期待、示唆するもので、ハインバッハ教授はその点についても指摘しています。

 

遺伝子レベルでの完全な相関関係は見いだせないものの、変異部分に何らかの治療を施すことで、遺伝子レベルでの脱毛治療を行える可能性が出てきました。これは将来の男性型脱毛症の治療の一歩となるかもしれません。

 

研究結果は日本人に当てはまるのか

 

今回低身長と若年性脱毛症の遺伝子レベルでの関連性を明らかにしたハインバッハ教授の研究対象(サンプル)は、欧州の男性を中心にしています。一般的な欧州男性は、30代から薄毛・脱毛が始まり、その後全体の80%程度が男性型脱毛症の影響を受けるとされています。

 

一方一般的な日本人が男性型脱毛症の影響を受けるのは欧州男性よりも遅く、影響の程度が出る人も50~60%程度だと言われています。つまり、男性型脱毛症に関わる遺伝子の働きが、人種によって違うことが推測されますので、ハインバッハ教授の研究データが必ずしも日本人に当てはまるわけではないということです。

 

勿論共通する遺伝子も存在するはずですが、身長の高低に関する相対的な脱毛症リスクの研究、定量化に加えて、国別、人種別の身長と若年性脱毛症リスクのデータの蓄積も今後必要になります。また身長だけではなく、体が小柄なこと、体の成熟が早いことなども脱毛症と関連があるというデータも示されていますので、そちらの方面からもAGA治療の手掛かりが見つかる可能性もあります。

 

現在では、遺伝子分析は様々な病気を究明し、治療する上で欠かせないものになっています。男性型脱毛症においても、それをもたらす遺伝子を特定し、変異遺伝子の治療を行うという方法が、近い将来確立されるかもしれません。そんな糸口となる可能性を示したのが今回のハインバッハ教授の論文なのです。